■ハーレーパーツメーカー紹介コラム【第13回】 American Prime Mfg(アメリカンプライム)編

ユーザー歓喜! あの有名ブランドの救世主

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SUキャブやオープンベルトキット、プロクラッチで有名なRIVERA/PRIMO(リベラ/プリモ)。1973年にリベラエンジニアリングが設立し、1977年にベルトドライブのメーカーであるプリモ社と統合して以来、長年に渡りハーレーのカスタムシーンを支えてきました。

ところが、近年は部品供給が滞っているのが現状。

そこで、リプレイスパーツなどの互換品をリリースするべく誕生したのがAPM(American Prime Manufacturing Inc.)です。
メーカー公式サイト http://www.americanprimemfginc.com/

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APMは元リベラ/プリモの役員によって2017年に設立されたブランドで、開発から販売まで40年以上、ハーレー業界に携わってきた経験が活かされているため、品質は万全です。駆動系を中心にラインナップを増加しており、特にオープンプライマリー周りに必要不可欠なパーツを展開しています。それでは詳しく見ていきましょう!

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<特徴> リベラ/プリモの消耗品&完全互換品を販売!

英国式のSUキャブレターで名を馳せ、プロクラッチやオープンプライマリーなど多彩なラインナップを展開した老舗カスタムパーツブランドリベラ/プリモ。

リベラ_SUキャブ リベラ_プロクラッチ リベラ_オープンプライマリー

パーツ総数は3万種類を数え、個性的なデザインと優れた機能性で、一般オーナーからプロのカスタムビルダーまで高い評価を受けてきました。特にプロクラッチは技術力に長けた日本のメカニック達が絶賛するほどの完成度。クラッチの調子が悪い往年の4速モデルはプロクラッチに交換するのがセオリーと言われるほど浸透していました。

……そんなリベラ/プリモ社ですが、近年、会社がほぼ機能しておらず、部品供給が途絶え、再開の目処も立っていないのが現状。ネオファクトリーオンラインショップでも軒並み在庫が「欠品」になっています。
リベラ製パーツを愛用するユーザーは世界規模に存在します。ところが、突然リプレイスパーツが入手困難になり、多くのユーザーが途方に暮れているのです。
修理できないから乗る回数を最小限に減らしたり、何十万もかけて取り付けたせっかくのオープンプライマリーを泣く泣く純正に戻す人も。また、愛用しているSUキャブをリビルドできないから別のキャブに変更したり、スパスパ切れて最高だったプロクラッチのクラッチ板の替えが手に入らないから、調子の悪い古いクラッチに戻したり……そんなケースが相次いでいるのです。

■創業者Ben Kudon

Ben Kudon

そんなリベラの現状を見兼ねて立ち上がったのがリベラ社の元Executive DirectorであるBen Kudon氏。

ハーレー業界に約40年以上も身を置き、約18年間勤めたリベラ社では役員となり、世界にリベラ/プリモを知らしめたキーマンです。


2018年_APM社訪問

ネオファクトリーとの付き合いも十数年に及び、アメリカを訪問した時はいつも私たちを優しく迎えてくれます(左の写真をご覧下さい!)。


リベラ/プリモがこのまま衰退して消えていくのを不憫に思ったBenは、需要が求められている部品の供給を復活するため、カリフォルニアで独自にAmerican Prime Manufacturing Inc.を立ち上げました。
いきなりオープンベルトキットやSUキャブキットを再販売を始めるのは困難なので、特に重要度が高いプロクラッチの内部消耗品、SUキャブのリビルド部品、再販の希望が多数寄せられていたアドバンスユニットなどから徐々に供給を始め、現在に至ります。

■Ben自らが製品を解説!

コチラがBen自らアドバンスユニットを解説した動画になります。

内容に関しては次のとおり――。
部品は全てアメリカ製で、APMのファクトリーで組み立てを行っています。
耐食性に優れた304ステンレススチール製のベースプレートに特殊ポリマーコーティングを施し、熱伝導の効率化と耐久性を向上。これに精度の高いロールピンやコイルスプリングを装着しています。
APMの製品は全てリベラ/プリモと互換性があり、徐々に製品ラインナップを拡張している
――と説明しています。

リベラの代表作であるプロクラッチに完全互換するAPMコンプマスタークラッチの解説動画です。

■ラインナップ紹介

ここからはAPMの製品をじっくり見ていきましょう。
各画像をクリックすると商品ページに移動します。

・コンプマスタークラッチ
コンプマスタークラッチは、リベラ/プリモの強化クラッチ「プロクラッチ」に対応したクラッチアッセンブリ。完全互換品でリプレイス部品として利用可能です。
1936~1984年式までの4速エンジン用で、確実な動力伝達が自慢。ショベル乗りの悩みのタネであるジャダーや引きずりなどのトラブルを解消してくれます。また、エンジンチューンなどでパワーアップした際のクラッチの滑りも防ぎます。湿式、乾式共用です。

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内部パーツの互換品も用意されています。
5速、6速用も一覧があるので、下記の分解図一覧ページへのリンクからご覧下さい。

コンプマスタークラッチ(プロクラッチ)の内部部品 APM=RIVERA互換一覧表

4速 6速
5速 86~89年 BT ケーブルクラッチ用 11年以降
5速 90~97年 BT 油圧クラッチ用 11年以降
5速 98~06年 XL 91年以降

その他の分解図も下記のページから確認することができます。

・コンプマスタークラッチ・プロクラッチ分解図一覧
http://www.neofactory.co.jp/custom.php?ctm_pg=clutch_ichiran


・ハイパフォーマンスアドバンスユニット

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ガバナーとも呼ばれ、ポイント点火には欠かせないアドバンスユニット。EVO等で、点火系のイグニッションモジュールをダイナSに交換する際にも必須のパーツです。APMの製品は、その名の通り“高性能”なのがウリです。
一般的には材質にスチールが用いられますが、APMは耐久性の高いステンレスを採用。アドバンスウェイトは極力無駄を排し、動きがスムーズかつ固着や噛みも少ないです。交換用パーツも用意され、スプリングの伸びや、アドバンスウェイトのピボット部が磨耗した等のトラブルにもすぐ交換して対処可能です。
1970~1999年式のビッグツイン、1971~2003年式のスポーツスターに対応。


・ベアリングサポート

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1965~1984年式の4速ビッグツインをオープンプライマリーにする際に必要なパーツがコチラです。
通常、プライマリーのバッキングプレートはメインシャフトを支持する役割も担っており、クラッチバスケットはエンジンの動力で常に引っ張られています。バッキングを外してオープン仕様にした際は、ミッションケースとメインシャフトに大きな負担がかかります。
そこで、このベアリングサポートの出番。ベアリングを介してミッションのシャフトを保持し、ミッションケースへの負担とシャフトの歪みを防ぐ役目があります。


・オルタネーターカバー

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コチラもオープンプライマリー化には必須のパーツです。 オルタネーターは高速回転する上に強い磁力があり、走行中に砂利の鉄粉を吸い取り、小石を巻き込むなど様々なリスクがあります。オープンにした際は、このアルミ製カバーを装着することでオルタネーターを守ってくれます。ぜひオルタネーターが壊れる前につけて下さい。 ポリッシュ仕上げ(写真左)とアルミキャスト素地の2タイプからチョイスできます。


・6速コンバージョンキット

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1990年~2006年式の5速ソフテイル&ツーリングモデルに対応(ダイナ系を除く)。高速道路でパワーは十分でも「あともう1速あったらなぁ」と思うシーンは多いハズ。そんな願いを叶えてくれるキットになります。通常の5速にオーバードライブの1速をプラスし、ハイウェイでは自然かつラクチンなクルージングを満喫できます。
ベアリングには安心&性能に定評あるNTNを使用。APM初となるブランドロゴ入りのほか、ニュートラルスイッチが付属する点も見逃せません。


・SUキャブ用 リプレイス部品各種

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英国車に採用されたSUキャブレターは、独特なサクションチャンバーとシンプルな構造による整備性が特徴。さらに、図太いサウンドやマイルドなレスポンスが持ち味です。
リベラ/プリモ製のSUキャブ向けに、APMからティクラーポンプとその内部パーツの完全互換パーツがリリースされています。これで安心して乗ることができますね。


・SUキャブのリプレイス用内部部品一覧
http://www.neofactory.co.jp/custom.php?ctm_pg=sucarb_replace

<まとめ>末永くリベラ/プリモの製品を楽しむために

コンプマスタークラッチ

いかがでしたでしょうか。世界中に存在するリベラ/プリモユーザーのために立ち上がったAPMの心意気に感謝するばかりです。
これからも安心してカスタムした愛車をエンジョイしましょう。今後のラインナップの展開を含め、楽しみなブランドです。


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