■ハーレーパーツメーカー紹介コラム【第27回】METZELER(メッツラー)編

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軽快さと安心感を両立したクルーザー用タイヤが揃う!

ゾウのマークをシンボルに持ち、オンオフを問わないバイク用タイヤの老舗として有名なメッツラー。製品はストリート指向で、ハーレーオーナーで指名する人も多いブランドです。 創業160年の歴史を持ち、今なお世界中のライダーから愛されています。一体どんな特徴があり、どんな製品を展開しているのか、深掘りしてみましょう!

<ブランド概要>ピレリ傘下ながらキャラは完全に差別化

工場が第二次世界大戦で破壊されるといった苦難もありましたが、戦後に再建。1979 年以降はモーターサイクル専用のタイヤメーカーとなり、1986年にピレリ傘下となりました。

メッツラーの特徴と言えば、高い技術力に裏打ちされた安心&安全性。スポーティなタイヤのほか、ハーレーなどクルーザー系タイヤのラインナップが充実しています。

その信頼性からOEM(標準装着)タイヤとして、新車に採用されるケースも多数。また、カスタムバイクにCRUISETECなどのタイヤが選択されるケースもよくあります。トレッドパターンがクラシックなのはもちろん、走りのよさを買われて採用するビルダーが多いのです。

傘下であるピレリとの違いは、やはり安定感でしょう。レースやスポーツ性能を重視したピレリに対し、メッツラーはストリートやツーリングでの安心感や自然な操安性に力点が置かれています。

パターンに関しても異なり、ピレリは〝フラッシュパターン〟と呼ばれるイナズマのようなデザインを採用。一方のメッツラーはトレッド中央に向かってギリシャ文字「π」風のパターンで、360度にわたってパーフェクトな性能を持つタイヤ、という哲学を示しています。

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<技術紹介>特許スチールベルトをはじめ、独自のテクノロジーが息づく

メッツラーのスタッフの多くは熱狂的なライダー。多くの技術を持つメッツラーですが、全てはライダーが求める性能を実現するために存在します。

メッツラーと言えば、スチールベルトのパイオニアとして有名。これはスチールベルトのコードを円周方向に対し0度の最適な間隔で巻きつける特許取得構造です。

樹脂よりも高張力なスチールの特長を生かし、タイヤの重量を軽減。また、遠心力によるタイヤの変形を抑えるため、タイヤの高速安定性を向上できます。さらに均一な熱分布により、ライフが確保され、偏摩耗の発生も抑制する、とメリットづくしです。

スチールベルトのコードは、タイヤの部位により異なる性能要件にマッチした間隔で巻きつける「メッツラー・アドヴァンスト・ワインディング」も導入。タイヤのクラウン部では弾力性とダンピング特性を重視して間隔を広めに、浅いリーン時に使用される部位では間隔を狭めにすることで高速コーナリングに適した高い剛性を実現します。

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0度配置のスチールベルトを最適な間隔で配置する「メッツラー・アドヴァンスト・ワインディング」

他にも、ヘビークルーザー専用に開発され、スームズなタイヤ断面形状を実現する「シングルラジアスプロファイル」など様々な技術を有し、快適なライディングに貢献してくれます。

<人気商品紹介>ヘビークルーザー向けのタイヤが豊富!

メッツラーでは、スポーツバイク向けをはじめ、スクーター、オフロードといった幅広いジャンルのタイヤを用意。中でもビンテージ系、重量系クルーザー、カスタムバイク向けのタイヤが充実しているのが特徴です。

前述のとおりクルーザー向けでは、愛車のルックスとパフォーマンス向上を両立できるのがポイントです。

CRUISETEC
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クルーザーや重量車向けに快適なコーナリング性能を追求。ラウンドの曲率が一定ではなく、部位ごとに変化するマルチラジアスを採用し、スポーティな走りが楽しめます。

長いミゾで排水性能とブレーキング性能を向上し、細かいミゾで温度上昇やグリップ感の向上を狙っています。さらに、このパターンとリヤのデュアルコンパウンドを融合。攻めた際には信頼性と安定感を高め、マッタリ走行時ではナチュラルなハンドリングを両立します。

また偏摩耗を抑制し、距離が進んでもタイヤが平らに四角く摩耗しにくい。長い期間、軽快な旋回性能を維持してくれます。

ME 888 MARATHON ULTRA
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こちらもクルーザー向けの製品。「マラソン」の名称が示すとおり、ロングツーリングが得意で、長いライフが特徴です。 接地面の負荷や衝撃はサイドウォールに向けて拡散される設計。ライダーに伝わる疲労と、タイヤの摩耗を抑え、穏やかな乗り味としています。

トレッドパターンの交わる部分は「コンパウンドブリッジ」で分断することで、剛性を高めつつ負荷を低減。コンパウンドはシリカ(ケイ素)の配合が高く、ウエット路面でのグリップを確保しています。

フロントの23インチや、リヤの280/300mm幅といったサイズが選べるのもポイント。こうした特殊なサイズでも走りが破綻しない設計です。

ME 888 MARATHON ULTRA WHITE WALL
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ME 888 MARATHON ULTRAの性能はそのままに、サイドウォールを白としたモデル。1950~60年代を彷彿とさせる、よりクラシックな雰囲気を演出します。

LASERTEC
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クラシックな雰囲気ながら、中身は新技術を導入したモデル。クルーザーや古いBMW の定番で、CRUISETECよりスポーティな「スポーツツーリングカテゴリー」に位置します。

軽く、耐久性のあるポリエステル繊維を使用し、ハンドリングが良好。トレッドパターンは伝統的ながら、走りは軽快かつ安心感があります。シングルコンパウドで、ドライもウエットもOK。全サイズともバイアスで乗り心地にも優れています。

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スポーツツーリング向けのタイヤで、オールラウンドな性能を発揮。進化したコンパウンドとメッツラー独自のミキシング技術により、優れた特性と耐摩耗性を発揮します。

ラジアルとバイアスタイヤを用意し、前者のフロントタイヤは100%シリカ配合コンパウンドを採用。リヤタイヤはデュアルコンパウンドで、耐摩耗性とグリップ性能の両立を実現しています。

バイアス仕様は、シリカを約30%配合した独自のカーボンブラックベースのコンパウンドを採用。発生した熱を利用して最適な動作温度にすることでドライ時に最適なグリップを提供するほか、特殊樹脂によりウェット時でも高いトラクションが得られます。

RACETEC RR
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サーキットや公道レースでの勝利を狙って開発された最高峰スポーツモデル。

滑りやすい路面での応答性を高めた設計とし、リヤタイヤは2種類がブレンドされたキャップベース構造と、スーパー導電性のセンターストライプを導入。ショルダーに熱を分散することで長い直線でもタイヤ温度を維持する特殊な構造だ。

また、クラウン部を特殊レーヨン繊維とすることで衝撃を分散吸収する役割を持ちます。

前後タイヤともK1~3という3種類のコンパウンドを用意し、接地感を重視した競技向けのK1、剛性が高く、路面の悪いサーキットでもOKのK2、走行会レベルのサーキット走行や公道を想定したK3が選べます。

KAROO4
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大型アドベンチャーバイク向けのKAROOシリーズ。「4」は2022年に登場した最新版で、オン、オフとも楽しんで走れるタイプながら、より未舗装路での走行性能を高めたタイヤです。

剛性の高い構造で、あらゆるステージで優れた性能を発揮。パターンノイズを抑え、オンロード走行時には静粛性にも優れる。トレッドパターンは横方向のミゾをやや直線的とし、オフロードでのトラクションと切り返し性能を強化しました。

ハーレーのアドベンチャーモデルであるパンアメリカにも対応しています。

TOURANCE NEXT
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アドベンチャーモデル向けのスタンダードタイヤで、オンロードでの耐久性と安定性を重視。デュアルコンパウンドや増量したシリカなどで、エンデューロタイヤながらウェットグリップも優秀です。

センター部がフラット気味かつ中間リーン部が丸い形状で、乗り心地と衝撃吸収性が優秀。進化版の「ツアランス・ネクスト2」も2022年に登場しています。


<まとめ>外観も走りも譲れないハーレーオーナーにオススメ

ツーリング向けのモデルが多く揃うメッツラー。軽快なハンドリングを発揮しながら、常に安定感、安心感を伴うのが特徴です。美観をキープしながら、しっかり走りを楽しみたいハーレーオーナーにおすすめしたいタイヤです。 ネオファクトリーでも多数のモデルとサイズを用意しておりますので、気になった方はぜひお問い合わせください!

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