■ハーレーパーツメーカー紹介コラム【第14回】COKER TIRE(コッカータイヤ)編

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創業60年、ヴィンテージタイヤ&ホイールの殿堂!

マフラーやハンドル、エアクリーナーカバーなど、外観に大きな変化を及ぼすパーツは数あれど、タイヤも間違いなくその一つ。ヴィンテージな雰囲気を高めてくれるタイヤと言えば、やはりCOKER(コッカー)です。創業60年以上の実績を持つ老舗で、旧車やクラシック風カスタムには欠かせない存在となっています。その魅力を解説していきましょう!

■会社概要 ラインナップは数千種類!

コッカーは、ハロルド・コッカーによって1958年、アメリカ・テネシー州のチャタヌーガで創業されました。当初は地元のタイヤショップとしてスタート。コッカー氏は、趣味としてクラシックカーやタイヤを収集していました。この趣味が高じて、ヴィンテージ部門を設立したところ、飛躍的にセールスを伸ばし、ヴィンテージ用タイヤ&ホイールの世界最大メーカー/サプライヤーにまで成長しました。現在では研究開発部署があり、常に最新技術を導入したタイヤ開発を行っています。

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ラインナップは、クラシックカーをはじめ、ヴィンテージトラック、バイクなど数千種類に及びます。ヴィンテージタイヤ部門だけで倉庫スペース20万平方フィートを占めるほど。チャタヌーガの歴史的なサウスサイド地区にいくつかの建物を占有するほか、カリフォルニア州シティオブインダストリーに1万平方フィートを誇る店舗と倉庫があります。

また、Cokerブランドだけでなく、BF GOODRIDGEやFIRE STONE、MICHELINといったメーカーのカタログ落ちしたヴィンテージタイヤをライセンス生産しているのが特徴。アメリカではOEMパーツの供給が終わっても、コッカーのようにアフターパーツメーカーが権利などを買い取って製造販売するケースが多いのです。そのため、古いバイクやクルマを末永く乗り続けることが可能。乗り物を愛する人が多いアメリカだからこそ成り立つ文化と言えるでしょう。

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創始者のコッカー氏(写真左)は2014年11月に逝去。現在は、ヴィンテージ自動車業界等でもキャリアが長く、全米SEMAショウなどでもおなじみのWADE・KAWASAKI氏(写真右)がCEOを務めています。 コッカー氏は、チャタヌーガの社屋にヴィンテージカー博物館を作ってしまうほどのマニア。社屋には、バイクのみならず、飛行機や骨董品など、値段がつかないほど貴重な品々が展示されています!

※コッカータイヤ訪問記はコチラ

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ネオファクトリーは、コッカータイヤの正規ディストリビューターです。長く親密な付き合いをしており、横浜で開催されるホットロッドカスタムショーなど日本のショーに出展する際は説明員として一緒にブース運営をしています。

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■そもそもヴィンテージタイヤとは?

COKER_タイヤ金型

ゴムは経年劣化するので、例えオリジナルの古いタイヤが残っていても、まず使用には耐えません。「ヴィンテージタイヤ」とは単純に「古いタイヤ」を意味するのではなく、今はない当時の企業から手に入れた古い金型や、 元の図面からコッカーが作り直した金型を使用して作ったもの。古いデザインやパターンはそのままに、安心して使える新品タイヤです。

<豆知識①>タイヤ各部の名称をおさらい

タイヤ部分名称

コッカーのタイヤを紹介する前に、タイヤ各部の名称を復習しておきましょう。

トレッド=路面とタイヤが直接接触する部分。駆動力や制動力などを路面に伝え、衝撃から内部を守る役目があります。この部分のゴム質がタイヤの特性を大きく左右します。表面には様々な模様(トレッドパターン)が刻まれ、グリップや排水、摩耗の抑制など性能に影響します。

ショルダー=トレッドとサイドウォールの境い目。バイクの場合、トレッドが4輪のように平面的ではなくサイドに回り込む形状になるため、ショルダ一には強度などバイク独特の性能が必要です。

サイドウォール=タイヤのサイド部分で、タイヤ内部の骨格(カーカス)を保護する役割を持ちます。走行中、最も大きくたわむ部分となります。この部分が長いと、その分ハイトが高くなります。

ビード部=タイヤをホイールのリムに固定する部分。リムとの摩擦損傷を防ぐためチェーファー(補強コード層)やゴム層などで補強されています。

<豆知識②>ホワイトウォールって何だ?

サイドが白いホワイトウォールタイヤ(ホワイトリボンタイヤとも)は、いかにもオールドスクール。1930~40年代を思わせるイメージです。もちろんコッカータイヤでも人気のアイテムで、ロゴにも使用されていますね。

コッカー氏が自らホワイトウォールタイヤの詳しい製造方法を解説している動画もあります。

白いゴムを黒いタイヤの生地に貼り付けて整形している様子がわかります。職人が非常に手間をかけて作製しています。 しかし、大昔のホワイトウォールタイヤはこうした工程ではなく、「逆」だったのです。 1920年頃までタイヤは「白」でした。純白の酸化亜鉛によってグリップ性能を強化するのが目的です。

ホワイトタイヤ

ただし、耐久性に難がありました。そこで、黒い炭素(カーボンブラック)を混ぜたゴムが登場。ゴムに炭素を混ぜることで耐久性が劇的にアップするのです。当時はまだタイヤ全体を覆う発想はなく、白いタイヤに、接地面だけ黒いゴムを装着したホワイトウォールタイヤが誕生したのです。
徐々に純粋な黒いゴムだけを使用したタイヤが台頭しますが、ホワイトウォールの人気は依然高く、1950年代に頂点へ。’60年代を境に狭いホワイトウォールや赤いラインが入るようになり、現代でも数多くのファンを抱えています。

■コッカーの代表ラインナップをご紹介

・ファイヤーストーン デラックスチャンピオン

ファイヤーストーン デラックスチャンピオン デラックスチャンピオン装着

1890年代に設立され、1970年代まで北米最大のタイヤメーカーだったファイヤーストーン。現在はブリヂストン傘下となっています。
デラックスチャンピオンは、ヴィンテージタイヤの金字塔。タテに深く刻まれたジグザグのトレッドパターンが特徴です。タイヤ側面のハイトが高いので、ボリュームを出せてフェンダーとのすき間が少なくなるのもポイント(取り付けにはクリアランスにご注意を)。オールドスクールなスタイルにピッタリです! 16/18/19インチをラインナップ。

・ファイヤーストーンANS

ファイヤーストーンANS ANS装着

こちらも往年のタイヤを忠実に再現。
ANSはAll Non Skid(どんな時でも滑らない)の略です。
オフロードテイストのあるスクランブラー的なクロスのトレッドパターンを持ち、現在も根強い人気を誇ります。
16/18/19インチを用意。

・コッカークラシック

コッカークラシック コッカークラシック装着
コッカークラシックWW装着
※ホワイトウォールモデルもあります。

‘50年代に純正装着されていたGOODYEARタイヤ=スーパーイーグルに似たパターンを採用。 ハイトが高く、クラシックなリブ型トレッドパターンがスポーティな雰囲気を醸し出します。パンヘッドのレストアや、チョッパーとのマッチングが抜群です。 ホワイトウォールモデルは、ホワイトリボンが細いタイプから2本、太いタイプが選べます。

・コッカーダイヤモンド

コッカーダイヤモンド

その名のとおりダイヤモンド型=ひし型のトレッドパターンが特徴。往年のレーサーに愛用されたパターンを忠実に再現しています。これまたハイトが高い! 愛車の迫力がグッと増します。

・フェニックス

フェニックス フェニックス装着

センターにはタテ溝、サイドには五角形のパターンを刻んだ、オールドヨーロピアンスタイル。
直進性とコーナリング時のグリップを両立しています。
ハイトが抑えめなので、シンプルなスタイルを狙いたい人にピッタリです。

・エクセルシャー コンプ

エクセルシャー コンプ

EXCELSIORとは、ラテン語で「優れた」「気品のある」あるいは「常に向上する」を意味します。エクセルシオールとも呼びます。
直線を基調としたパターンは本来、’30年代の自動車レースに使用されていたもの。ブロックパターンに近いワイルドなデザインながら、欧州テイストも感じさせます。無骨かつファットなイメージを愛車に与えたい人にオススメです。

・インディアンスクリプト

インディアンスクリプト

タテ方向に連続したジグザグのトレッドパターンが個性を演出。同時に操縦安定性を高めてくれます。ボバーをはじめ、オールドスクールなスタイルにハマること必至。アメリカ先住民インディアンの文字をイメージしたパターンが名前の由来と思われます。

・ベック

ベック ベック装着

丸みを帯びたファットな形状と深いブロックパターンが迫力十分のベック。16または18インチで、幅は110~130mmとリヤに使用します。特にフロントタイヤにコッカーダイヤモンドを装着した際のマッチングはバツグンです。

・DEKA

DEKA

今まで紹介してきたモデルの中で、最もゴツゴツしたブロックパターンを採用しており、ダートトラックカスタムに最適。
DEKAはドイツ語で、Deutschen Kabelwerkeの先頭の二文字が由来。German Cableworks という会社がリリースしていたモデルで、現在はコッカーが生産しています。
元々、軍用トラック向けのデザインだったのですが、それをバイク用に転用したもの。このゴツさも納得です。ラインナップは16および19インチのみなので、18インチの発売にも期待したいところです。

トレッドパターンを見ながら選べる一覧ページも用意していますので是非ご覧ください!

・デザインで選ぶクラシックタイヤ一覧
http://www.neofactory.co.jp/custom.php?ctm_pg=classicaltira


<まとめ>

COKER_image

現在でも、新品のビンテージタイヤが購入できるのはスゴイことだと思います。カスタムする上で、コッカーは欠かせないブランドとおわかりいただけたのではないでしょうか。
ちなみに、当社のラインナップにないタイヤは4輪用も含めてお取り寄せも可能です。お気軽にお問い合わせください!!

COKER TIRE(コッカータイヤ) 公式ウェブサイト

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