■ハーレーパーツメーカー紹介コラム【第12回】 GOLAN PRODUCTS(ゴラン プロダクツ)編
極上の操作感、知る人ぞ知る燃料コックのブランド
燃料のバルブやコック、フィルターは、地味だけど乗り物には欠かせない部品です。軽飛行機、ロケットエンジン、船舶、そしてもちろんハーレーにも使用されています。今回は、これらのパーツ製造で有名なゴランプロダクツを深堀りしていきます。目立ちにくい部品ながら、細部にまでこだわりたいライダーに要・注目のブランドなので、とくとゴランあれ!
<会社概要>多彩な分野に燃料系のバルブ&フィルターを提供

バイク、クルマ、ボートレーシングスポーツ、航空業界など、幅広い分野にフューエルフィルターやバルブを提供しているゴラン。アルミとステンレススチールのビレット材から最新のCNCで造り出す製品は、高品質に定評があります。厳格な品質が求められる米国とイスラエル軍の車両用パーツも製造しており、信頼性の高さを物語っています。 ハーレーでは、キャブレター車に使用できるフューエルコックが有名。1999年には、世界最大級の自動車アフターマーケットパーツショー「SEMA SHOW」で、ゴランのフィルターが受賞した実績もあります。 本社は米国カリフォルニアにあり、本国でも燃料バルブ関連のトップブランドとして知れ渡っています。
<特徴>世界初のボールベアリングを採用!
まずゴランで定番なのが燃料コックです。最大の特徴は、世界で初めてガスコックにボールベアリングを採用した点。「ON」「OFF」「RESERVE」のレバー操作をよりスムーズに確実に行うことができます。他社製のガスコックに多いグニュッとした操作感に対し、チャキッというラチェットハンドルのようなクリック音を伴って指定の位置にレバーが止まるので、使用感は抜群です。コックに刻まれたブランドロゴ「G」からもその自信が伺えますね。また、しっかりレバーが固定されるので振動の影響も受けません。 目に付きにくいパーツながらデザイン性も良好。
クロームとブラックの定番カラー以外にブラスカラーがラインナップされているのも斬新です。


こちらがボールベアリングの内部構造です。スプリング+ボールが所定の場所に収まることによりチャキッとした操作感を生みます。
「オフ」の位置では、ボールがOリングシートに押し下げられ、キャブレターへの燃料流入を確実にストップします。
使用されているのは、真ちゅう材から機械加工されたボディや、ステンレス鋼と2つの標準的なサイズのフッ素ゴム製Oリング。シンプルで頑丈、かつ部品交換が容易なので、半永久的に使用できます。
<豆知識1>ガソリンコックの重要性
燃料コックはキャブレターへの燃料流入を制御する大事な役割があります。
ゴランをはじめとする自然落下式のコックは燃料コックで供給を止めない限り、フロート室がフルに満たされるまで止まることはありません。
コックで燃料の流出をとめることが出来なければ小さなニードルバルブだけに負担が集中します。
この状態が続くとニードルバルブの寿命を早めてしまったり、小さなゴミがひっかっかっただけでオーバーフローするなど、リスクが高まります。
こうした問題を解消するために、コックを設けて燃料の流出を止めることができるようになっているのです。エボリューション以降に採用されているのは一般的な負圧式のガスコックとなります。こちらは、エンジンがかかって負圧が働いた時に燃料が流れるタイプです。
ゴランのコックは自然落下式なので、エンジン停止時はコックをOFFにしておくのが鉄則。
コックのレバーを操作する機会も必然的に増えるので心地良いレバー操作感を存分に堪能できます。
なお、友人がガス欠で困っている際、負圧式コックと違って、カンタンにガソリンを取り出しておすそ分けすることができますよ。
メンテナンスを怠っている方は要注意。
汚れが蓄積したり、各部の劣化によって、ガソリン漏れや突然のエンスト、
オーバーフローなど様々なトラブルを引き起こす可能性があります。こんなカンジでゴミが溜まっている事例も。古いコックは思い切って交換するのが一番です。
詳細はコチラを参照ください。
<豆知識2>ハーレーに使用されているガスコックは3サイズ
ハーレーでは主に3サイズの燃料コックが使用されています。
使用するタンクによって対応サイズは異なるのでコックを選ぶ際は注意しましょう。
ゴランでは純正タンクに採用されている3/8NPTと13/16(22mm)の2サイズがラインナップされています。
NPT:アメリカ管用テーパーネジ(National Pipe Thread Taper)規格
1/4NPTと3/8NPTの2種類が社外を含むハーレーのガスタンクに採用されていますが、
この1/4や3/8はネジ径のサイズを示すものではないので注意が必要です。
・1/4NPT
主に社外カスタムタンクに多く使用されているサイズ。参考雄ネジ外径は約13.6mmです。
・3/8NPT
主に75年式までの純正ガスタンクに使用されているサイズ。参考雄ネジ外径は約17.1mmです。
・13/16(22mm)
主に75年式以降の純正タンク(インジェクション車除く)に使用されているサイズ。
ナットコネクションと呼ばれるタイプで、雄ネジが備わっているガスタンクは大抵このサイズです。
ガスコックを好きな向きで固定できるので、締まりきる位置が中途半端になってしまいがちなNPT規格のガスコックの弱点を克服しました。
■ホースの取り出し向きについて
コックの取り付け位置やキャブレターまでのホースの取り回しに応じて、ゴランではフロント、リア、ダウン、ストレートの4種類を取り揃えています。

リア:車体後方にホースが出ます。ホースはリア方向に90度ベント。
ダウン:ホースがコックの下に向けて出ているのがダウン。
フロント:コックを正面にしてホースが車体前方に出ます。ホースは90度ベント(曲がり)。
ストレート:コックから直接ホースが真っ直ぐ出ています。
※フロントorリアの表記は車体左側にコックがある事を前提に表記しています。
カスタムタンク等で右側にコックがある場合は逆になりますのでご注意ください。
■燃料コックのラインナップ一覧
※商品番号をクリックで商品ページをご覧になれます。
3/8NPT | ![]() |
![]() |
![]() |
クローム | ブラック | ブラス | |
フロント | 011452 | 011453 | 011454 |
リア | 011455 | 011456 | 011457 |
ダウン | 011458 | 011459 | 011460 |
ストレート | 011461 | 011462 | 011463 |
13/16(22mm) | ![]() |
![]() |
![]() |
クローム | ブラック | ブラス | |
フロント |
|||
リア |
|||
ダウン |
|||
ストレート |
ショートガスコック | 011464 | ![]() |
13/16(22mm) | 011477 | ![]() |
■フューエルフィルターもお見逃しなく!


ゴランではコック以外にフューエルフィルターも取り扱っています。
このパーツは、ガソリンに混入した微細なゴミや、タンク内から剥がれ落ちた塗料片やサビなど様々な異物を濾過する役割があります。キャブレターの詰まりなどを防いでくれるので、内燃機関を持つ乗り物には必須です。
ゴランのフィルターは、アルミ削り出しボディのため、外観が何ともカッコイイです。内部のステンレス製フィルターは耐久性に優れ、掃除することで半永久的に使用できます。
011446 5/16in G ビレットフューエルフィルター
「Gビレット」は、約108mm×約50mmというラインナップ中、最大のフューエルフィルターで、ポリッシュ仕上げとなります。フィンは熱の放出性を高め、パーコレーションと呼ばれる気泡の発生によるエンストを抑止する効果があります。
011447 1/4in ピークフロー ミニビレットフューエルフィルター クローム
011449 5/16in ピークフロー ミニビレットフューエルフィルター ポリッシュ
「ミニビレット」は、フィンを設けながら、より小型にしたタイプ。
サイズは約38mm×34mm。
011451 5/16in ピークフロー スーパーミニビレットフューエルフィルター
「スーパーミニビレット」はミニマムなサイズ(約16mm×34mm)でいて、しっかり濾過機能を発揮します。


3種類のフューエルフィルターには共通して10ミクロンという微細な網目のステンレスフィルターを採用。細かなゴミも残さずキャッチします。
ゴランプロダクツフューエルフィルター一覧はこちら
<まとめ>目立たないけど所有感を満たす確かな存在感


見た目を劇的に変える外装パーツもいいですけど、他のハーレーと差をつけたいなら
ガスコックやフューエルフィルターのカスタムは大いにアリ、ではないでしょうか。
外見は大きく変わらなくても、抜群の機能性を誇り、見る人が見れば、わかってもらえる。ゴランの製品は、そんなツウなパーツであり、ブランドと言えるでしょう。
ぜひネオファクトリーのHPでラインナップをゴランになってください!
ご不明な点などは、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください!