■一歩先行くハーレーカスタム【第19回】EFIコントロール編

最近、「人工知能(AI)」が話題になっていますね。Googleが開発した人工知能が、囲碁の試合でチャンピオンを打ち負かした件は、ご存じの方も多いでしょう。クルマに人工知能を載せようという取り組みも、具体的なものになっているようです。

そんなニュースを聞くたび、考えてしまうんです。
もし、ハーレーが人工知能を搭載したら・・・

交通の変化に合わせて自動的に状況判断をして、いつも安全運転。
加速も減速もコーナーリングも自由自在で快適ドライブ。
乗っているだけで目的地まで連れていってくれて、居眠りもOK。
燃費も良く、渋滞知らずでエコドライブ。

「そんなんで何が楽しいの?」って、思ってしまいますよね(笑)。ハーレーって、味わいとか雰囲気とか、そういうものを求める人が乗るバイクですから、人工知能なんていうハイテクなものとは馴染まないのかもしれません。100年後のハーレーは、どんな進化を遂げているんだろうと期待する反面、今とほとんど変わってなかったりして(笑)。

ともあれ、近年のハーレーで大きな進化と言えば、インジェクションの標準化でしょう。前置きが長くなりましたが、今回はインジェクション・EFIコントロールについて!

■そもそも、インジェクション車とは?

ご存じのとおり、現行のハーレーはインジェクションEFI(インジェクション:電子制御燃料噴射装置)を採用しています。インジェクション車は、ECMというコンピューターに、ガソリンの噴射やプラグの点火タイミングなど様々な命令を出すプログラムが仕込まれており、細かいセッティングができるのが特徴。車両の各部から集積したデータをもとに、その時々でプログラムされたとおりにエンジンを制御できます。

■インジェクションは純正のままじゃダメ?

狙いどおりにエンジンのパフォーマンスを引き出せるのがインジェクション車のメリットだと言われますが、これはある意味、「建て前」です。どういうことかと言うと、そもそも純正ハーレーのECMは排ガス規制を意識して“薄め”のセッティングになっているから。例えるなら、純正ハーレーは「羊の皮を被った狼」みたいなもので、純正ハーレーのECMではエンジン本来のパフォーマンスを引き出すことはできないのです。実際に、「羊なハーレー」に物足りなさを感じ、「狼の本能」を呼び起こすためにインジェクションを交換する人も多くいます。

■おすすめインジェクション「サンダーマックス」

ネオファクトリーでは、「サンダーマックス」というインジェクション(フルコン)をおすすめしています。フルコンというのは、純正のECMを取り外し、コンピューターを丸ごと載せ換えるタイプのインジェクションのことです。

サンダーマックスは、Zipper'sとThunderheart Performanceが共同開発したEFIコントローラーで、フルコンの代名詞のような存在。純正のコンピューターをサンダーマックスに差し替えることで、セッティングできる項目が多くなり、その幅も広がります。

ユーザーの乗り方に合わせて理想空然比を測定し、ベースマップに学習させる「オート チェーン機能」は、サンダーマックスならではの特徴だと言えるでしょう。


中身はこのようなキットになっており、O2センサーも入っています。


取り付けイメージ。車種・年式によって異なります。

>>ネオファクトリーが取り扱うフルコン「サンダーマックス」一覧はこちら

◎オートチューン機能(自動学習機能)

サンダーマックスの最大の特徴と言えば、間違いなく「オートチューン機能」でしょう。これは、サンダーマックスが自ら走行データを読み取って、自動的に最適な設定に調整する機能。走れば走るほど最良なセッティングを導き出してくれ、走った分だけ、ハーレー本来の性能を発揮させてくれます。また、マフラーやエアクリーナーなど吸排気系のパーツを交換しても、自動的に最適なセッティングに変更してくれます。

◎ワイドバンドのO2センサー

O2センサーとは、エキパイに取り付けられている排気ガス中の酸素濃度を検知する機器。サンダーマックスのO2センサーは測定範囲が広い「ワイドバンド」という仕様で、純正の「ナローバンド」より広い範囲の空燃比を正確に測定できます。測定した情報をサンダーマックスにフィードバックすることで空燃比が最適化され、ガソリンの噴射量も調整されます。

◎サンダーマックスで三拍子を出せる!?

インジェクションをサンダーマックスに交換する方によく聞かれるのが、いわゆる「三拍子」を出せるかどうかということ。もちろん、アイドリングのセッティング次第で三拍子に近いフィーリングを得られますが、極端な低アイドリングはエンジンやバッテリーへ負担がかかり、リスクが伴うことをお忘れなく。現実的には800rpmがギリギリのラインになってくるでしょう。とはいえ、純正よりはハーレーらしい雰囲気を楽しむことができるはずです。

■サンダーマックスが走りを変える!

これは、インジェクション車両に搭載されているノーマルのコンピューター(ECM)。ノーマルは誰が運転してもそれなりに扱いやすい控えめな設定になっているため、物足りなさを感じる人もいますよね。


・加速感がイマイチなのでパワーアップしたい!
・アイドリングの回転数が高いので、低めに抑えて落ち着いた排気音と鼓動感を楽しみたい!
・マフラーからパンパン鳴るアフターファイヤーを抑えたい!


こんな声は少なくありません。

そこで出番になるのがサンダーマックス! ノーマルのコンピューターからサンダーマックスに替えることで、以下のようなメリットがあります。


・点火のタイミングと燃料の最適化でパワーアップを体感できる!
・アイドリング回転数を調節できるので、低めの回転数で落ち着いた鼓動感を楽しめる!
・アフターファイヤーの対策ができるので、エンジンブレーキをかけた時やスロットルを戻した時にパンパン鳴る症状を抑えられます。


どうですか? 欲しくなってきますよね(笑)

繰り返しになりますが、サンダーマックスが凄いのは「オートチューン機能」です。一度車両に取り付けて設定してしまえば、あとは実際の走りに合わせてコンピューターが学習し、自動的に最適な燃料調整を行ってくれます。

サンダーマックスは今なお進化を続けており、より少ない走行データで、より自然で理想的なチューニングができるようになっています。

2016年モデルの車両に対応できるようにサポートを広げているのも心強い限りですね!

■自分で交換・セッティングするという方へ

インジェクションの取り付けや設定は非常に難易度の高く、慣れていない人が手探りで理想のセッティングに近づけるのは至難の業。技術と経験を兼ね備えたメカニックの存在が不可欠です。初期のセッティングは専門ショップに任せ、知識が得ながら少しずつ自分で触っていけるといいですね。

取り付けに自信のない方は、ショップへご相談を!ネオファクトリーでは全国のディーラー様をご紹介しております。

■インジェクションならではの喜びを!

キャブ車からインジェクション車への移行は、長いハーレーの歴史のなかでも大きな出来事でした。当初は、キャブ車のほうがハーレーらしい鼓動感を味わえるといった意見が多かったのですが、ここ数年は、インジェクション車のほうがより走りを楽しめるという評価も一般的になっています。

どちらが正解ということではありませんが、キャブならキャブならではの、インジェクションならインジェクションでしかできないカスタムを追求することは、ある意味、正しい楽しみ方だと思います。

エンジン本来のポテンシャルを引き出せるのは、インジェクション車の特権です。車両の状態や乗り方、求めるパフォーマンスに合わせた設定にすることで、愛車のエンジンは格段に心地よいものに変わります。ぜひ、納得のいくEFIコントロールを実現して、最高の乗り味を手に入れてくださいね!

■ベイエリア チョッパー&カスタムバイクショーに出展します!

来たる6月12日、記念すべき第1回の「ベイエリア チョッパー&カスタムバイクショー」が開催されます。カスタムバイクが一堂に会するだけでなく、ウエアやグッズの販売も。ネオファクトリー&ネオガレージも出展しますので、ぜひブースを覗きに来てくださいね!

【開催期日】 2016年6月12日(日)
【開催時間】 9:00~17:00
【入場料】 当日3,000円 / 前売り2,500円 (12歳以下無料)
【開催場所】 幕張メッセ 国際展示場 11ホール
【ホームページ】http://www.baccshow.com/

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